2021/01/24 02:17
こんにちは。Gordon’s gardenpartyです。
ようやくここまで辿り着きました。当初は1投稿で収まる予定だったんですが、なぜこうなったのか自分でも分かりません。
プレッシャーケロシンランタンを知ろう vol.3 理屈がわかれば炎上も怖くない
プレッシャーケロシンランタンを知ろう vol.2 パーツを知ろう
プレッシャーケロシンランタンを知ろう vol.1 キャンプに最適なランタン
そういえば「vol.2 パーツを知ろう」で書き忘れたのですが、各パーツの接続部にはゴムで作られたワッシャー(パッキン)という「隙間埋めパーツ」があります。
金属同士では溶接でもしない限りピッタリ閉まらないので、その微小な隙間を埋めるとても大事なパーツです。これがないと灯油が漏れ出したりパーツが緩んだりしてえらいことになります。そんな大事なパーツなのに書き忘れた・・・
ワッシャーは灯油に触れるパーツにあります。NRVとタンクの接点、キャップの裏側、コントロールコックの付け根、ヴァポライザーの付け根などなど。Vapalux / Bialaddinで7種類、TILLEYで5種類あります。
ワッシャーは灯油に触れるパーツにあります。NRVとタンクの接点、キャップの裏側、コントロールコックの付け根、ヴァポライザーの付け根などなど。Vapalux / Bialaddinで7種類、TILLEYで5種類あります。
では本題の「燃焼異常」です。
前回の最後にも書きましたが、燃焼異常と言っても有名な『炎上(不完全燃焼)』だけでなく、『暗い』『チカチカ点滅する』『点かない』という症状もあります。いずれもタンクから噴出した灯油がなんらかの理由でマントルまで正常なプロセスで移動していないことから発生します。
では以下、症状を軸に異常を起こす原因を掘り下げてみます。
◆『チカチカ点滅する』『点かない』
通常なら「シューーーー」というガス化した灯油の噴出音がするはずが、「ボッ、ボッ」と息継ぎのような音を立てながらマントルが点滅ことがあります。
この症状はどこかで厚抜けしているか、灯油の入れすぎか、ヴァポライザーが詰まって正常に灯油を噴出できていない場合がほとんどです。
灯油を入れすぎの場合は、エアリリースキャップを開けると灯油が吹き出すのですぐわかります。そうなったら入れすぎです。少し灯油を戻しましょう。灯油を入れすぎるとエアの入るスペースが不足して圧力が安定しなくなります。
灯油の入れすぎがなくこの症状が出たら次は圧抜けから疑うわけですが、「どこかで」だと途方に暮れるので絞り込む手段が必要です。
圧抜けはおおまかに2種類に切り分けることができます。『灯油が漏れているか否か』これが切り分けポイントです。
圧抜けがが灯油の通り道で発生している場合、灯油も同時に漏れているはずです。
具体的に言うと、コントロールコックより上部で圧が抜けている場合、圧力で押されている灯油も一緒に漏れ出します。灯油が漏れるとフレームの付け根やタンクの周りが灯油でビタビタになっていますのですぐにわかります。
これが発生している場合は、灯油の垂れ筋を目で追うと大体漏れている箇所がわかります。わからなければ消火して一度漏れた灯油を拭き取ってから数回追加ポンピングをするとまた漏れ出すので漏れている箇所がつかめます。
いまいちわからない場合はムース上の洗顔料などを各パーツの付け根に付けてみると泡を吹くので、それでも判別できます。
漏れる箇所は以下の写真の箇所です。
逆に灯油が漏れていない場合は、コントロールコックより下で圧が抜けています。つまりタンクです。
タンクにはタンク自身に大きな傷がない限り、エアが抜ける箇所は給油口キャップかエアリリースキャップ、あとはポンプ穴の中のNRV付近しかありません。
まずこの「灯油漏れがあるかないか」で、異常発生がコントロールコックより上か下かを切り分けられます。
こうしたエア抜けは、ほとんどの場合ワッシャー異常です。ワッシャーが古くなって硬化しているか、新品でも取り替えたワッシャーが微妙に変形していて隙間埋めの役目を果たさなくなっている場合もあります。
コントロールコックより上部のワッシャー接続箇所は、上の写真の3箇所。タンク部には給油口キャップの裏、エアリリースキャップの裏、NRVのタンクとの接点、NRVの中と4箇所あります。
NRV内部には米粒のようなワッシャーがあり、NRVを分解することで交換できるのですが、NRV自体が固着して分解できなくなっている場合があります。これ結構あります。なのでNRVはそれごと交換した方が早いです。
圧抜けはおおまかに2種類に切り分けることができます。『灯油が漏れているか否か』これが切り分けポイントです。
圧抜けがが灯油の通り道で発生している場合、灯油も同時に漏れているはずです。
具体的に言うと、コントロールコックより上部で圧が抜けている場合、圧力で押されている灯油も一緒に漏れ出します。灯油が漏れるとフレームの付け根やタンクの周りが灯油でビタビタになっていますのですぐにわかります。
これが発生している場合は、灯油の垂れ筋を目で追うと大体漏れている箇所がわかります。わからなければ消火して一度漏れた灯油を拭き取ってから数回追加ポンピングをするとまた漏れ出すので漏れている箇所がつかめます。
いまいちわからない場合はムース上の洗顔料などを各パーツの付け根に付けてみると泡を吹くので、それでも判別できます。
漏れる箇所は以下の写真の箇所です。
逆に灯油が漏れていない場合は、コントロールコックより下で圧が抜けています。つまりタンクです。
タンクにはタンク自身に大きな傷がない限り、エアが抜ける箇所は給油口キャップかエアリリースキャップ、あとはポンプ穴の中のNRV付近しかありません。
まずこの「灯油漏れがあるかないか」で、異常発生がコントロールコックより上か下かを切り分けられます。
こうしたエア抜けは、ほとんどの場合ワッシャー異常です。ワッシャーが古くなって硬化しているか、新品でも取り替えたワッシャーが微妙に変形していて隙間埋めの役目を果たさなくなっている場合もあります。
コントロールコックより上部のワッシャー接続箇所は、上の写真の3箇所。タンク部には給油口キャップの裏、エアリリースキャップの裏、NRVのタンクとの接点、NRVの中と4箇所あります。
NRV内部には米粒のようなワッシャーがあり、NRVを分解することで交換できるのですが、NRV自体が固着して分解できなくなっている場合があります。これ結構あります。なのでNRVはそれごと交換した方が早いです。
ちなみにイギリスから届くヴィンテージの大半は、最初から灯火するなんてことはほぼありません。長年使われてなかったモノが多くほぼ全てワッシャーは硬化し、ヴァポライザーには煤がこびりつき、タンク内からは刺激臭が漂います。
未整備のモノを購入して自分でメンテナンスして復活させたときは喜びもひとしおですが、工具も必要ですし初めてだと少しハードルが高いです。なので私は整備・灯火確認したものを販売しています。ご購入いただく方の多くはケロシンランタンを初めて利用される方なので、最初に点かないと嫌になっちゃいますもんね。
ところでワッシャー交換自体は簡単ですが工具が必要になります。こうしたメンテナンスツール類は次回の記事でご紹介します。
未整備のモノを購入して自分でメンテナンスして復活させたときは喜びもひとしおですが、工具も必要ですし初めてだと少しハードルが高いです。なので私は整備・灯火確認したものを販売しています。ご購入いただく方の多くはケロシンランタンを初めて利用される方なので、最初に点かないと嫌になっちゃいますもんね。
ところでワッシャー交換自体は簡単ですが工具が必要になります。こうしたメンテナンスツール類は次回の記事でご紹介します。
さて、ワッシャーにも異常がない場合は、ヴァポライザーを疑うことになりますが、ヴァポライザー異常は次の『暗い』と共通なので、詳細は次でご紹介します。
◆『暗い』
正常な量のガスが送れず燃焼量が少ないことから発生していますので、前述の『チカチカ』と同じようにエア抜けの可能性もありますが、エア抜けはほとんどの場合一定量抜け続けるようなことはなく鼓動のように抜けるので、鼓動がなく(もしくは非常に弱く)常時暗いのであれば疑わしいのはヴァポライザーです。
ヴァポライザーに煤が詰まると噴出口が狭まり、正常な量の灯油を噴出できなくなります。そのため正常な量のガスが作れず燃焼が不足するというわけです。
煤詰まりは石油燃料の性なので掃除したいですが、VapaluxやTILLEYのヴァポライザーは分解することができません。できるのはニードルと小さいスプリングを引き抜く程度。これでは内部を洗浄することができません。
つまりVapaluxやTILLEYではヴァポライザーそのものが消耗品なのです。シンプルでスタイリッシュな英国ランタンの唯一と言っていい弱点でしょう。寿命も1年程度と短く、費用もそこそこ高いので出費が痛い。
応急措置として、ヴァポライザー内のニードル(特に先端部)にこびりついた煤をカッターの先端等でカリカリ除去してあげると復活したりしますが、ヴァポライザー内にはそれ以上の取れない煤がついてしまっているので、これはあくまで応急措置です。
そこで生まれたのが台湾製の『分解可能なヴァポライザー』です。
ご利用されている方も多いと思いますが、これは優秀です。なんせ分解して掃除ができる。1本単価は少しお高くなりますが使い続けられるメリットは絶大です。ヴァポライザーが消耗品ではなくなる、ただそれだけでコスト的にも精神的にも秀逸。おすすめです。
◆『炎上』
炎上の原因のほとんどは予熱不足と、前回の投稿で書きましたが、ヴァポライザー内のニードルの異常で発生する場合があります。
ニードル先端の細い針が曲がったりすると噴出過剰になる場合があります。気化灯油量が多すぎてガス化されずにバーナーから噴出されてしまうケースです。
これもヴァポライザー交換でしか対処できません。ニードル単体のOEMパーツもありますが、そんなの買うくらいならヴァポライザーごと交換した方がよほど経済的です。
これ以外では、ものすごく低確率ですが稀にバーナーに異常が出ているケースがあります。
灯油のガス化に必要なもう1つのパートナーの空気が不足してガス化が促進されないというわけですが、ただバーナーの異常なんて滅多に発生しないのでこれは気づきづらいです。
ワッシャーも替え、ヴァポライザーも替え、全てをやりつくしてもなお炎上する際は、最後にバーナーを疑うしか手がなくなりますが、バーナーは分解して掃除できるので、掃除してみるのも手です。
『燃焼異常』はここまでです。これらをまとめると、ようするに
「燃焼異常の大半は余熱不足。特に冬場の余熱はたっぷり時間をかけましょう」
「次に多いのがワッシャー不良。だからワッシャーは予備を持ちましょう」
「次に多いのがワッシャー不良。だからワッシャーは予備を持ちましょう」
「その次に多いのがヴァポライザー不良。ヴァポライザーは分解可能型がおすすめ」
「そこまで異常に関係することもないけど、NRVも1つは予備があるといいかも」
という話です。
逆に言うと、VapaluxやTILLEYなどの英国製ランタンに発生する燃焼異常の主な原因となるパーツは、この3種類だけ、しかも大半は2種類なんです。あちこち壊れて対処不能・・・なんてことはありません。
また、滅多に故障しないパーツの予備をもつ必要はありません。それらは必要になったときに買えばいい。
とにかくこれら3種類のパーツさえ抑えておけば、大体のトラブルに対処できるようになります。次回はメンテに必要な工具類をご紹介します。