2022/04/30 11:56



こんにちは。
GWに入ってから「GWに行けるキャンプ場、どっかないかなー」と探しているhitomoshi_coroです。まったく見つかりません。


今回は私も使っています、分解・清掃が可能なCCSLヴァポライザーを、そのメンテナンス方法も含めてご紹介します。
最初にリクエストをいただいてから、もう1年近く経っているような気がします。ご希望いただいた皆様、お待たせしてごめんなさい。
悪気はありません。ただただズボラなだけです。

ちなみに私が使っているVAPALUXやTILLEYのほとんどは、こちらのヴァポライザーに交換してあります。消耗品なのにそこそこお値段のする純正を使うより、明らかにこちらのほうがコスパがいいからですが、純正は掃除ができないだけでなくニップルも一体なので、ニップルが逝っちゃったときに交換ができないのがホントに痛い。

コスパ大事。



さて、まずはこちらのヴァポライザーの背景からご紹介します。



CCSL(Classic Camp Stove and Lanterns)は、台湾のPhilさんが自らデザインして作られている、サードパーティー・ヴァポライザーです。
Philさん自身が元パイロットなので、ブランド名は「PHIL CAPTAIN」。
今や色んなところで販売されているので、ランタン探してるときに見かけられた方も多いと思います。

ちなみに当店では、ランタンは各フリマアプリでも販売させていただいています(各フリマアプリのポイントが利用できるとお得ですもんね)が、単品販売が基本のフリマアプリだと出品の手間がひどくてパーツ類は販売していません。
ご希望であれば、ラクマ・paypayフリマでしたら販売しますので、お気軽にお申し出ください。ただメルカリはNG。手数料が高すぎます。


話が逸れましたが、製品の紹介に戻ります。
以下、ご相談が多い2つのことを中心にご紹介します。

■amazonに悪い評価がある問題

最近何件か「このヴァポライザー、amazonでよくない評価を見かけるんですが大丈夫ですか?」とお問合せをいただきましたので、まずはそこからご説明します。

amazonを確認すると「初回利用時に炎上した」という評価が見られました。実際どうかというと、確かにこれはたまにあります。
初期不良かというと微妙なところで、日本のクオリティー基準で言えばそうとも受け取れますが、そこは海外製品。日本基準で判断してたら日本製しか買えなくなります。なのでこちらが少し工夫する必要があります。

で、原因は何かというと、ニップルの問題である場合が多いです。というか私の手持ちで発生した炎上現象はちょっとした工夫で全て収まりましたので、ほぼこれが原因と思われます。


どういうことかと言うと、新品のニップルは、個体によっては少し鋭敏すぎるモノもあるようです。
私が使っている個体にも炎上したモノがあり、試しに水で噴出テストをしたところ、糸のように細い水が勢いよく噴出しました。
これはニップルがビンビンすぎて、必要以上に勢いが増し、そのせいでバーナー内の気化が追いつかずにマントルに液体のまま燃料が届いてしまう(液体燃料がそのまま燃えて炎上してしまう)ことが発生していると理解しました。
ニップルが古くなって穴が大きくなり、想定以上の燃料が噴出して気化せず炎上するパターン(いわゆるフュエル・リッチ)とはまた別のパターンです。

原因がわかったのであらためて灯油を入れてリトライ。今度はポンピングを数回に分けて、まずは2〜3回ポンピングしてマントルの様子を見ながら、炎上したらノブで燃料調整。炎上が収まったらまた2〜3回追加ポンピングして・・・を繰り返してみたら、無事に灯火しました。

一度灯火してくれればその後は同様のトラブルもなくなりましたので、このように最初に少しコツ(慣らし?)がいる個体があるようです。
心配でしたらご連絡いただければ発送前にこちらでテストすることもできますので、ご注文時にお申し出ください。



■分解・清掃ってどうやるの?問題


「分解・清掃ができるヴァポライザー」として名を馳せるCCSLですが、肝心の分解・清掃方法を知らなければ純正の消耗品ヴァポライザーと変わりません。
ここから先はその方法をご紹介します。必要な工具はモンキーレンチとプライヤーです。
ちなみにPetromaxやOptimusなどの北欧系ランタンをメンテナンスされた経験のある方でしたら、読むまでもない記事です。ど〜んと思いっきり読み飛ばしてください。


■ニップルをはずす


まず最初にニップルをはずします。
ヴァポライザーの胴体(ニップル寄り)のところにモンキーで挟めるようになっている箇所がありますので、ここにモンキー(かプライヤー)を1本かまします。
もう1本をニップルにかまして、それぞれを逆方向にひねるとニップルがはずれます。最初は結構キツいです。ゆっくり力を加えてください。




ニップルが外れると中に半円形のブラスのパーツが入っています。ひっくり返すとこぼれてくるので落としてなくさないように。



■ヴァポライザーの胴体をはずす


次にヴァポライザーの胴体をはずします。
まずヴァポライザーの付け根のギザギザ部分をプライヤーではさみます。次にヴァポライザーの胴体にモンキーをかまして、ニップルの時と同じくそれぞれを逆方向にグリっと回します。ここも結構きついので、ゆっくり力を加えながら回してください。
はずれたらニードルと中のスプリングをはずしてください。スプリングの下にも半円形のブラスパーツがありますので、これもなくさないように。
またスプリングは2重になっています。それぞれを分離させてください。



■ロッドとバネを洗浄


ヴァポライザーの汚れ(煤)は、主にロッドとスプリングに付着します。
ロッドはパーツクリーナーに半日〜1日浸けおきして、耐水ペーパーでヤスってあげれば綺麗になります。ニードルも汚れてたら一緒に浸けて綺麗にしてあげてください。
スプリングはプライヤーで持ち、ご自宅のガスレンジで1〜2分ほど炙ってから水に投入すると「ジュッ!」という蒸発音とともに付着した煤が分離します。
「おいおい、ウチはオール電化ですけど」という方は、キャンプ用のガストーチなどで炙ってください。
ロッドと同じくパーツクリーナー洗浄でもOKなんですが、スプリングはヤスリ掛けがしづらいので、この方法がオススメです。

ちなみに写真のヴァポライザーは「そこそこ使ったはず」と思って分解した私の手持ちです。分解してみたら全然汚れてませんでした。。。


■組み立て
分解した順番を逆に組み立てれば完了です。
半円形のブラスパーツ、スプリング、ニードル、胴体、半円形のブラスパーツ、ニップル、の順番です。
ヴァポライザーの中に入っていた半円形のブラスパーツの向きに注意してください。すぼまってる方が先端を向くように入れればOKです。


文章にすると長いですが、作業時間で言えば、浸けおき時間を除くと10分程度の作業です。
たったこれだけで消耗品が消耗品でなくなる、というのはとっても素敵。
ズボラな私は滅多なことでは分解・清掃はしませんが、たまーにメンテしてあげるとすこぶる元気になりますので、お使いの方で「なんか最近調子悪い」という方はぜひ試してみてください。