2021/02/20 13:06
こんにちは。Gordon's gardenpartyです。
いやはや、vol.5まできました。きてしまいました。とんだ大作です。
ですがこれで最後です。最終章。
書きたいことはまだまだありますが、なんでもかんでも全部書いてしまってはこれからご利用される方のワクワク・ドキドキ、そんな楽しみを奪いかねませんので、これで最後にします。
今回の話題に入る前にこれまでの投稿をまとめますと、Vapalux / Bialaddinに限らず、プレッシャーケロシンランタンの構造は至って単純です。タンクから燃料の灯油を吸い上げ、温めた通り道で気化させ、ベンチレータで空気と混合させることでガス化させて火を付ける。
これを行っているだけです。
「パーツが多くメンテナンスが大変そう・・・」というイメージが払拭できたかはわかりませんが、これまでの記事をお読みいただければ異常発生時に落ち着いて対処できるのではないかと思います。
ヴィンテージは敷居が高いとお思いの方も多いと思いますが、実は新品とヴィンテージに構造上の違いはありません。電気や電池(LED)が普及した今、いまさら構造をアップデートする必要がないからです。
もちろん姿・形は新品の真新しさにはかないませんが、バリエーションはヴィンテージも視野に広く探せたほうがより一層ご自分のお気に入りに出会う確率は上がるでしょう。
新品であれヴィンテージであれ、これはもう使ったことのある人の誰しもが言う使い古された言葉ですが、ケロシンランタンを灯火した瞬間に広がるその柔らかく暖かい灯りに魅了され、時が止まることは間違いありません。あれが「ハマる」という瞬間なのでしょう。
この一連の投稿が、ケロシンランタンに敷居の高さを軽減し、あの独特の灯りを楽しんでいただく一助になれば幸いです。
ではメンテナンス道具をご紹介します。
Vapalux / BialaddinやTILLEYなどのイングランド製ケロシンランタンを扱うのに「最初に揃えたい道具」と、「途中で買えばいい道具」に分けてご紹介します。
まず「最初に揃えたい道具」から。
最初に揃えたい道具には、プレヒート用の燃料用アルコールなど、ランタン灯火に必要なモノも含みます。逆にこれらさえあればランタン灯火には困らないという道具たちです。
上から順に
・燃料用アルコール
・フィーエルファネル・アルコール注入ボトル
・ジェットライターか柄の長いマッチ
・ウォーターポンププライヤー
・マスキングテープ
・ウォーターポンププライヤー
・マスキングテープ
・灯油
いきなり写真に写ってないモノからですみません。ただこれがないと始まりません。
「パラフィンオイルのほうがいいですか?」と聞かれることがありますが、パラフィンオイルで得られる効果は保管時の匂いと煤の減少だけで、ハリケーンランタン程度のサイズであればいいですが、1日に少なくとも500ml、2台あると1リットル近く消費するケロシンランタンの燃料としては費用対効果的に割りに合いません。
「パラフィンオイルのほうがいいですか?」と聞かれることがありますが、パラフィンオイルで得られる効果は保管時の匂いと煤の減少だけで、ハリケーンランタン程度のサイズであればいいですが、1日に少なくとも500ml、2台あると1リットル近く消費するケロシンランタンの燃料としては費用対効果的に割りに合いません。
私の金銭感覚では、燃料は灯油一択です。
・燃料用アルコール
プレヒートをするための燃料です。灯油との違いは「高い揮発性」。燃料用アルコールは揮発性が高いので火を近づけるとすぐに引火します。灯油やパラフィンオイルではこうはいきません。役割はヴァポライザーを温めることなので、さっと火がついて火力の高い燃料用アルコールを使います。
・フィーエルファネル(漏斗)
ランタンに灯油を注ぐ漏斗です。これもなんでもいいですが、ゴミが混入すると燃焼時に煤詰まりの原因になったりしてあまりよくないので、フィルタ機能があるものをお薦めします。私は写真のコールマンのファネルを使っています。
・アルコール注入ボトル
プレヒート用アルコールをプレヒーターカップに注ぐためのボトルです。ノズルが長ければなんでもいいんですが、プラスチックノズルだと溶けてしまう可能性が高いので金属製ノズルのモノが無難です。
私はノズルを自由に曲げられる、AZのオイラーを使っています。instagramでも紹介しましたが、これめちゃ便利。
・ジェットライターか柄の長いマッチ
ライターはSOTOのジェットライターを使っていますが、それなりに「長い火」が出るライターならなんでもいいです。チャッカマンは柄が長いだけで火は短いのであまりお薦めしません。
柄の長いマッチは、使っているとかっこいいのであえてピックアップしました。単に私が憧れているだけです。持ってません。
柄の長いマッチは、使っているとかっこいいのであえてピックアップしました。単に私が憧れているだけです。持ってません。
・ウォーターポンププライヤー(250mmの、口が大きく開くモノ)
ランタン、特にVapaluxやTILLEYなどのイングランド系ランタンのパーツ接合部は車での移動中などに緩んでしまうことがあります。キャンプ先についていざ灯そうとすると、ヴァポライザーやジェットクリーナーの根元から灯油がチョロチョロ・・・笑えません。なのでこのウォーターポンププライヤーだけは常備しておくことを強くお薦めします。ランタンの常備薬のようなモノです。
使用する際は、挟み口を写真のようにマスキングテープで保護するか、タオル等を挟んでからランタンのパーツを挟んでください。
多くのランタンパーツは熱と錆に強いかわりに柔らかいブラス(真鍮)でできています。スチールやステンレスなどの硬質な金属が強く接触すると、ランタンパーツに傷が入ってしまいます。
傷もまた味なのであまり神経質になる必要はないですが、無用な傷は避けたいですもんね。
多くのランタンパーツは熱と錆に強いかわりに柔らかいブラス(真鍮)でできています。スチールやステンレスなどの硬質な金属が強く接触すると、ランタンパーツに傷が入ってしまいます。
傷もまた味なのであまり神経質になる必要はないですが、無用な傷は避けたいですもんね。
最初に揃えたい道具は以上です。
全てamazonで手に入りますが、灯油は近所のガソリンスタンド等で買うのをお薦めします。灯油は劣化するので、劣化した古い灯油を捨てて新しい灯油に入れ替えるのを、セルフではない(フルサービスの)ガソリンスタンドなら受けてくれるからです。
全てamazonで手に入りますが、灯油は近所のガソリンスタンド等で買うのをお薦めします。灯油は劣化するので、劣化した古い灯油を捨てて新しい灯油に入れ替えるのを、セルフではない(フルサービスの)ガソリンスタンドなら受けてくれるからです。
次に、ランタン入手後しばらくすると必要になってくる「途中で買えばいいモノ」をご紹介します。
現役バリバリなヤツらなので小汚くてすみません・・・
左から順に、
・柄の長いマイナスドライバー(「-6*150」あたり)
・ヘッドの小さいマイナスドライバー
・ヘッドの小さいマイナスドライバー
・ラジオペンチ
・ワッシャー
・ワッシャー
これらは分解・ワッシャー交換に必要になってきます。
・柄の長いマイナスドライバー
ポンプ部の奥にあるNRV(ノンリターン・バルブ)を取り外すのに必要です。だいぶ奥にあるので柄が長くないと届きません。でも市販のマイナスドライバーですむのはイングランドランタンのありがたいところです。専用のNRVレンチは使わないのでご自宅にあるモノで事足りるかもしれません。
柄が長いとそれだけ回す力が先端に伝わりづらくなる(なめるリスクが上がる)ので、柄や先端がしっかりしたモノをご用意ください。
・ヘッドの小さいマイナスドライバー
Vapalux M320を筆頭にその他1960年代以降の Vapalux / Bialaddin ランタンのコントロールノブを取り外すのに必要になります。(それ以前のノブはねじ込み式)
・ラジオペンチ
給油口キャップとエアリリースキャップをつないでいるブラスピンを曲げ伸ばして取り外すのに必要です。
ちなみに、ピンは何度も曲げたり伸ばしたりを繰り返しているとそのうち折れますが、別にブラスピンでなければならないわけではありません。要はエアリリースキャップが抜け落ちず、ワッシャーに傷をつけないようなモノならなんでもいいので、ホームセンターに売っている少し硬めの鋼材の針金で十分です。
給油口キャップとエアリリースキャップをつないでいるブラスピンを曲げ伸ばして取り外すのに必要です。
ちなみに、ピンは何度も曲げたり伸ばしたりを繰り返しているとそのうち折れますが、別にブラスピンでなければならないわけではありません。要はエアリリースキャップが抜け落ちず、ワッシャーに傷をつけないようなモノならなんでもいいので、ホームセンターに売っている少し硬めの鋼材の針金で十分です。
・ワッシャー
当店では私がメンテに使いまくるので常時在庫を切らしてますが(笑)、写真に写っているのがVapalux / Bialaddin 共通のワッシャーセットです。使用頻度にもよりますが、1年に1回程度交換してあげると、キャンプ先でのトラブル発生率は大きく減少すると思います。
以上がランタンの使用やメンテナンスに使う主な道具たちです。
もちろん他にもブラスを磨くPIKALや固着したパーツをはずすための凍結浸透ルブなど、あると便利なモノはありますが、なきゃ困るというモノでもありませんのでここでは取りあげません。
このあたりの局所的な道具は、そのうち私のメンテナンスの様子をご紹介する機会がありましたら、そこで取りあげたいと思います。
1話で終わりのはずだったのにとんだ大作になってしまった「プレッシャーケロシンランタンを知ろう」ですが、これにて終了です。
どれだけの方がご覧いただいたのか、またこれからご覧いただくのか分かりませんが、冒頭で書いたとおり、これからケロシンランタンに触れる方々の不安を少しでも和らげ、ランタンの灯りを楽しんでもらうことができたら幸いです。
すでに長くご愛用されていらっしゃる方々からすれば稚拙な駄文でしたかもしれません。何卒ご容赦ください。
ご拝読、ありがとうございました。